ハーブにはそれぞれ、期待される効果や効能があります。人類には古代からハーブを医学の分野で活用してきた歴史がありますし、ハーブは多くの場面で「効能」ということに着目して活用されています。すっきりする、よく眠れる、胃腸の調子を整えてくれる、そんな効能を期待して民間療法的に使われていますし、欧米では医薬品として使用されるハーブも多く存在します。しかし、現在の日本の法律では、私たちのハーブティーを販売するにあたり、商品の説明として効能を謳うことは認められておりません。
少し詳しく説明すると、食品と医薬品とは、法律で明確に区別されており、ハーブティーは「食品」にカテゴライズされています。一方の医薬品は、薬機法において「疾病に対する予防や治療のために使用されるもの」とされており、医薬品にのみこうした効能を謳うことが可能とされています。つまり、医薬品ではなく食品であるハーブ(ティー)に、医学的な効能を謳うことは認められていないということになります。薬機法(旧薬事法)には、病名、医薬品的な効果、医薬品的な使い方(飲む回数や時間など)謳うことが義務付けられていますが、それらを食品に記載することはできません。
ハーブティーを作るにあたり、保健所に確認したところ、パッケージへの記載すること、販促の資材や店頭に記載すること、販売場面において効能を伝えること、いずれも認められていないという回答でした。とはいえ、私たちのオリジナルティーは6種類もあるのでパッケージを見ていただいた段階でお客様がどんなイメージのハーブティーなのかというヒントをパッケージに落とし込むことが必要でした。効能から飲むシーンを想定して、以下のようなキャッチをいれて飲んでいただくシーンをお伝えすることで、お選びいただくヒントを商品に表記しています。
ブレンド名:ひだまりの夢
キャッチ:ほっこりのんびりゆったり気分
ブレンド名:月の光に包まれて
キャッチ:素敵な朝を迎えるために
ブレンド名:森林浴
キャッチ:まだまだ頑張りたいあなたに
私たちのハーブティーは、あくまでも目的は、嗜好品としてお楽しみいただくこと。見た目からも自然の美しさを感じてもらえて、飲んで美味しくて、淹れているあいだの時間も含め、その豊かさを感じる一杯。効能云々を頭で考えるのではなく、美味しいものを飲んで五感が満たされれば、身体にも心にもきっといいよねっ、というスタンスでお届けしています。
Photo:Masako Yamaue